先日のオマーン戦がやっていた4-3-1-2の7枚ブロックに対しての攻撃を
CrecerFAの個人の判断基準を使って組織攻撃を解析していきます。
CrecerFAは、チーム戦術ではなく、あくまで個人戦術です。個人が見て判断して動くことを主体としています。
赤の4-3-1-2に対して4-2-3-1で対峙したときの構図です。
更に言うとオマーンはトップとトップ下への縦パスを警戒して中央をかなり固めた布陣でした。
まず、ここで考えなければいけないのは、各ゾーンの数的把握です。
最終ラインは、CB2人に対して相手は2トップなので、数的同数。
ミドルラインは、前3人、後ろ2人で合わせて5人に対して、相手は3-1の4人で数的優位。
ファースト(アタック)ラインは、1トップとウイング2人で計3人に対して、相手は4バックで数的不利。
Crecerの判断基準で解説していきます。
最終ラインにボールがある時、サリーダデバロンからの前進をやっていきます。
この場合、最終ラインのCB2枚は数的同数なのでアプローチがあれば緊急時になります。
ですので、サリーダデバロンを作るために、ボランチの選手はCBのポジショニングを見ながら、ボールホルダー側のボランチが集団プレー戦術のサリーダデソナ(自分のゾーンを出る)で、サポートに向かいます。
ボランチは相手のアプローチラインまで下がります。
実際にはこんな感じになるんではないかと思います。
これは、CBにアプローチがかかっている場合ですね。
かかっていなければ、緊急時ではなく安定時になるので、ボールから離れてサポートしていきます。
自分の担当マークから横距離を取り十分に横距離が取れるので、プロフンディダは、前進のサポートで担当のマークより前進した位置的優位をとります。
こんな感じ。
さて、ミドルラインのボールに関与している1パスアウェイの選手(ここではボランチのサポートの種類を書きました。
●アプローチがあればサリーダデソナして、一つラインを落としてサリーダデバロンを作る。
●数的同数でもアプローチがなければ安定時なので、サリーダデソナはせず、自分の担当のマークからアンプリトゥとプロフンディダをとり、横距離が十分なら前進のサポートをする。
さて、ここからは、その他の選手に関しても書いていきたいと思います。
まずは、安定時だった場合の続きを書いていきます。
サリーダデバロンとプログレシオンのシチュエーションでは、集団プレー戦術と個人戦術における攻撃のアクションを使います。
集団プレー戦術では、チームを機能させるための個人が行うアクションです。
個人戦術は、相手のアクションに対しての解決アクションです。
安定時においては、担当のマークを基準点にボールから離れてサポートしていきます。
自陣の両サイドバックの選手は相手のサイドハーフよりも前でサポートしていきます。
トップ下の選手は、相手の1ボランチを基準にボールから離れたアンプリトゥを取りますが、十分な距離が取れないので継続のサポートを行います。
アタックラインは、時間とスペースがないのでアンプリトゥとプロフンディダよりもデスマルケの準備を行います。
この図を見てどうでしょうか?
ボランチにボールが出たらどこからアプローチが来ると思いますか?
相手のトップ下がアプローチをしてきたらそのままドリブルで前進できます。
相手のサイドハーフがアプローチに来たら、サイドバックとトップ下が使えます。
サイドバックにボールが出たらどこからアプローチが来ると思いますか?
相手のサイドハーフがアプローチに来たら、ドリブルで前進ができます。
相手のサイドバックが来たら味方のサイドハーフと数的優位で前進できます。
位置的優位をとれていますのでプログレシオンからフィナリサシオンまでなら、容易に進むことができると感じませんか?
日本代表は、この位置的優位を取れてなくて
こんな形になっていました。ほとんどすべてにおいて継続のサポートとなり、前進しにくい状況です。
つまり、どこにボールが出ても1対1が発生してしまってフィナリサシオンまで行くのに質的優位で勝たないと前進できない状態になっていました。
しかも、前回書いていたように質的優位があまりとれていなかったので、全然進めていませんでしたね。
さて、ここまでは、CBが数的同数でもアプローチがなく安定時になっておる時のことを書いていきました。
ここからは、CBが数的同数でアプローチに来た場合のCrecerFAの判断基準でのサリーダデバロンを書いていこうと思います。
と、思ったけど長くなったので、ここでいったん終わりにします。