Crecer FA(クレセールフットボールアカデミー)

岡山県瀬戸内市で活動しているスペインメソッドサッカースクール

指導論③集団が個人に与えるメリットデメリット

指導方法は、個人指導、一斉指導、集団指導が大きく分けてありますが、それらをどう用いるかは指導者の手腕にかかっています。

指導方法をどう採用するかを考察するために集団が個人に与えるメリットデメリットを理解していきましょう。

 

 

 

 

1. 個人に与えるメリット

一般的に何らかのメリットを求めて、集団に所属します。まずは、そのメリットを理解していきましょう。

 

①活動能率

共通の目的を持った人が集団に加入することは、前の記事でも書きました。

共通の目的を持っているので、初めての人でも集団活動に適合することができます。また、仲間が多いことから協力や競争心の効果で能率上がり目的達成の助けにもなり、個人の能力も高められます。

 

②コミュニケーション

目的意識をともにするメンバーが多いので仲間意識が生まれやすく、スムーズにコミュニケーションが取れたりします。ただ単に雑談をしたり連絡や伝達をするだけでなく、メンバー同士での意見や考えを交換し、理解し合う力やより良い合意や結論を導き出す力を引き出すことができます。

 

③不安や孤独の解消

人は精神欲求として安らぎを求める。その安らぎの中に孤独感や不安の解消があり、共通の目的意識や志をもった集団に所属することでそれらが解消し、安定感を得られる。

特に優れた指導者や経験豊富な仲間、心情に沿った集団であればあるほど、活動の実践に友情、協力、信頼、共感など肯定的な感情が湧き、集団に所属する喜びと安らぎを得られ、精神欲求を満たすことができる。

 

④人間的成長

集団行動には一定の模範が必要だということは前に書きましたが、個々のメンバーが一定の役割を持って仲間とともに行動し、活動実践していくと互いに協力や分担という機能が生まれ、その過程を経ることで自発性、協調性、民主性などの大切な精神行動の基本を培うことができます。

また、集団活動の成功や失敗経験を得ることで試行錯誤することができ、精神的な成長が見込めます。

 

⑤自己開発

集団に所属することで、自身のセーフティゾーン以外の考えや経験を得ることができます。未経験の活動や役目を持った立場は、不安感や緊張感を伴いながら思考力や責任感の向上、目標達成への努力を得ることができます。

その過程を繰り返すことで自身の長所や短所、仲間の長所や短所を知り、個々の違いを活用したり、集団活動の進め方など多くのことを学び、新しい自身の可能性を発見することができます。

 

⑥活動意欲

個人が常に旺盛な意欲を継続維持していくことは、なかなか難しいです。

集団に所属することで、集団全体の活動意欲が、沈んだ個人の意欲を引き上げたり、個人の意欲が、集団に刺激を与え質の向上に繋がったりします。相乗効果が生まれると個人の意欲を育てることに繋がり、集団の更なる成長が可能になります。

 

2. 個人に与えるデメリット

集団の質とレベルによってはメリットどころかデメリットを受けることもあります。

 

①能力が生かせない。

集団の目的意識やレベルがバラバラであったり、自身と集団との間に質や意識の乖離がある場合は、個人の能力や知識が発揮されないまま時間を費やしてしまいます。

これらの不適応現象には、集団自体の在り方の問題であったり、集団の指導者やリーダーの管理構成の問題であったり、個人の調査不足や性格の不一致が原因だったりと様々です。その場合は、解決策を考えなければならない。

 

②対立感情

集団の大小にかかわらず、不信感やレベル不相応、自己顕示、不必要なヒエラルキー等といった何らかの欲求不満が原因で対立感情が生じることがある。それは、集団意欲を低下させ、集団全体の活動停滞や小集団での派閥、個人のいじめや疎外といった犠牲が出ます。そうした問題は早期に解決策を考えなければならない。

 

③依存現象

集団の所属は、精神的安定を得ることができ、集団が個人を支えたり守ったりして個人をリードしてくれます。集団が機能していればいるほど、その力は強く個人を救ってくれます。しかし、それに依存し消極的な活動参加になれば自発性は育たず、集団に所属する効果は薄れるどころか、自分で行動できない精神活動になってしまいます。また集団としても消極的な精神活動に引っ張られるので、こうした個人が見られた場合は、解決策を考えなければならない。

 

④誤ったコミュニケーション

集団の機能として重要なコミュニケーションは、その内容が悪質だったり、低俗だったりする場合は、集団の活動方向を変えてしまいます。また、集団のコミュニケーション機能を意図的に悪用することは、集団の存続にかかわることとなります。この問題も早期解決が必要となります。

 

 

3. まとめ

指導者としてメリットを生かしデメリットを消していく必要がある。

目的達成するための方向性定め、適正なレベル分けを行い、仲間意識や競争心をうまく導くことでメリットを生かし個人の能力が生かせる環境づくりを行う。

コミュニケーションを上手く促し、意見や考えの相互理解やより良い合意を導き、メンバー同士の会話の質を向上させる工夫が必要。役割分担し、不要なヒエラルキーをなくし、定期的な見直しと一人一人のリーダーとしての資質を育てることで、より良い環境を整える。

集団全体の実践活動に喜びと安らぎを付与しつつ、自発性や協調性、民主性などの精神の向上のために個々の性質を見極めて役割を持たせる工夫が必要であり、その個人の意欲と集団の意欲の方向性を導くことが大切です。