Crecer FA

岡山県瀬戸内市で活動しているスペインメソッドサッカースクール

視覚情報の整理整頓

前回記事の続き

crecerfa.hatenablog.jp

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必要な情報を整理する

目のストレッチ、たったこれだけのことで視覚から得る情報量を増やすことができます。

ただし、必要な情報を的確に集めることが重要です。

5つの情報を得る力があるのに、その中に必要のない情報が3つ混ざっていたら、2つしか認知していないのと同じなのです。

実は、この辺が日本のサッカーに足りないことなのです。

「周りを視ろ」とよく聞きますが、解決行動をとるために視るべきポイントがざっくりし過ぎていて、必要な情報が何か理解できていないことが多いです。

 

例えば、攻撃の個人戦術であるアンプリトゥ(横距離)、プロフンディダ(縦距離)、デスマルケ(マークを外す)というアクションがあり、これらを決めるための判断基準があります。ざっくり言うとボールとマークを認知して、それらの行動を決めます

「周りを視ろ」というのと、「ボールの状況と担当相手の状況を視ろ」というのは、比較すると視る情報がかなりスッキリと整理されています。

※実際は、もっと細かく明確に視るところがあります。

 

優先順位を知り、情報を整頓する

更に言うと、

ボール状況の何を見ますか?それでどんな解決行動をとりますか?

マークの何を見ますか?それでどんな解決行動をとりますか?

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まず、一番初めに認知するべきは、ボールの状況です。

ここが安定時なのか緊急時なのかを視て判断しないとサポートのアンプリトゥ(横距離)が決まりません。

安定時の場合、次はプロフンディダです。

相手からアンプリトゥ(横距離)が十分であれば、前進側に立ち位置をとり、十分でない場合は継続側に立ち位置を取ります。

これだけで前進のサポートと継続のサポートの判断ができます。

 

簡単じゃないですか?2つ視ればサポートが2つ判断できるんです。

もちろん安定時とは、どんな状況で、緊急時はどんな状況ということを知っておくことが大切です。

このように視るべきキーファクター(重要要素)のフローチャートが実はあります。

それに沿って順に視ていくと不必要な情報が入る余地がなくなり、必要な情報を整頓しやすくなります。

 

優先順位のフローチャートをより先へと進むために

的確に必要な情報を認知することで不必要な情報を入力しなくてよくなります。

そうすると、他の必要な情報を認知する余裕ができます。

前述した視るべきフローチャートは、実は、かなり多岐にわたります。

 

 

立ち位置を決めた後、体の向きは、どうするか?

目的の状況は?

味方の状況とその行動は?

ボールが来たら?来なかったら?

 

視ようと思ったら際限なく視ることになり、その情報を追うと、一番初めの情報に変化が出てきたりします。

ですので、目のストレッチ(眼球運動、周辺視、瞬間視の向上)をすることで視認する回数と量を増やすことが大切となってきます。

人より早く眼球を動かし、周辺視でより広い範囲をついでに認知することで、優先順位のフローチャートを更に先へと進むことができるのです。

そうすることで、適切な判断ができ、しっかりとした解決行動をとれるようになります。

 

視覚情報をより早く処理するには

そして、視覚情報が多くなればなるほど、情報を整理整頓する力が必要になります。

それらを解決してくれるのが、ライフキネティックと原理原則の知識とそれに則ったプレーの経験量です。

順を追ってプレーの判断すればいいんじゃないの?

と思うかもしれませんが、先ほど書いたように、眼球運動が早くなり、周辺視でついでにその情報も拾っていくと、必要な優先順位のある情報自体が散乱して入ってきます。

 

ボールの状況を視て、次に相手とのアンプリトゥを視て、次に目的の状況を視てと、順を追って、1つ1つの情報を処理するなら、処理スピードは、そこまで必要になりません。

でも、ボールの状況と相手とのアンプリトゥを周辺視で同時に視ることができたら?

2つにの情報に優先順をつけながら一気に処理しなければなりません。

2つを同時に視て思考する時間が必要な場合、同時に見るメリットがありません。

それを解決するのが、ライフキネティックと経験量です。

 

ライフキネティックってどんな効果?

ライフキネティックで多角的な思考回路の構築を促すことで、知覚した情報をスムーズに伝達することができます。

 

例えを言うと、2つの荷物を1人が2回運ぶのと、2人で同時に運んで1回で済むのとどっちが早いでしょうか?

簡単ですよね。2人で2つ同時に運ぶ方が倍早いです。

 

次は、3つの荷物を2人が1つの道を通って運ぶとします。

最初の2つの荷物は、1人ずつ持って同じ道を通って運びます。

1人目が荷物を運び終わって同じ道を帰ろうとすると、後についてきたもう1人とぶつかってしまいます。

もう1つの荷物を取りに帰れなくなってしまうか、2人目も荷物を持ったまま引き返して、もう一度荷物を運ぶかになります。

この荷物の渋滞が、脳の混乱を招きます。

 

でも、道が2つあると、行き帰りでぶつかることもなくなります。

更に言うと道が3つできて3人で持ち運ぶことができるようになれば、1回で3つの物を運び終えることができます。

そうした道の構築と情報を持ち運ぶ人数を増やすのがライフキネティックの役割と考えています。

 

まとめ

視覚情報を整理整頓するためには、サッカーの原理、プレーの原則を知り、優先順位のフローチャートを知る事。

そして、必要な情報をたくさん取り入れる力をつけ、その必要な情報の優先順位を整頓する力を身に着けることが大切です。

そして、その先の思考をしなくても判断できる経験値を獲得することが必要だと私は考えています。

その為には、幼少期からこのフローチャートに触れておくことが必要になってきます。

それはまた別の記事で。