先日のアメリカ戦の結果は2-0と内容もアメリカを圧倒していて良かったですね。
アメリカ戦はスペイン想定?
スペインの4-3-3に対しての、攻撃のオプションと守備戦術に関して試すいい機会だったと思います。
ただエクアドルも4-3-3なんですよね。
でもエクアドルのフィジカルは、ドイツ想定かなとも思いますが。
とりあえず、アメリカ戦で行ったことは、スペイン想定として話を進めていきます。
日本代表のオプション
アメリカ戦は、全体のやりたいことが共通認識としてうまくかみ合っていたと感じました。
その日本代表の基本的なオプションを見ていけたらと思います。
組織攻撃と組織守備を見ると、そこまで大きな変化はありませんでした。
4-2-3-1で相手の中盤とマッチアップを作っての前線からの守備戦術はとても機能していたと感じました。
組織守備
アメリカの4-3-3への前プレが見事に功を奏しましたが、スペインに対してどうでしょうか?
このマッチアップの展開は、スペインは、個人戦術だけでどうにかできてしまうレベルです。
そうなると、スペインはサリーダ デ バロンから前進できてしまい、広がったライン間やスライドするラインのバランスが崩れたところを使われて前進されてしまいます。
となると、今回アメリカに使った前プレを守備戦術として日本代表がとれば、悪手となるのではないかと感じていて、やはりスペイン相手には、プレスラインの設定は低くせざるを得ないので、ブロックを引いての守備が基本となると思います。
どうしても前プレを完遂させたい場合は、前田選手、伊藤選手、古橋選手、浅野選手で前の3人で構成する他ないと思います。3人で右から左まで守れる走力が必要ですね。
ただ、そうするとチームのバランスが崩れて、他のオプションが削られてしまうので、考え物ですね。後半の状況次第で使うプランな気がします。
組織攻撃
日本代表の攻撃のオプションとしては、
- 中盤の縦パスと落しの関係
- サイドの質的優位
- サイドバックを含めた数的優位
が基本的な形です。
アメリカには、縦パスと落しがかなり効果的に入り、中央からも前進できていましたが、組織攻撃として、縦パスと落しの関係は、スペインの組織守備にはほとんど通用しないと思った方が良いです。
スペイン人の守備(個人戦術)の立ち位置からすると、縦パスの後の落しが、つながらない可能性が高いからです。守備ブロックが整う前に出せれば活かせる可能性が高いとは思いますが。
ですので、サイド攻撃の質的優位と数的優位が主軸になるかなと。
そうすると、右サイドは伊藤選手と酒井選手が効果的かなと思います。
左サイドは、久保選手か三苫選手が有力になり、サイドバックは、運動量のある長友選手かなと。
というのも、おそらく数的優位を作ってくれるサイドバックがいないと久保選手や三苫選手の質的優位だけでは、相手の守備が数的優位になり守られやすくなるからです。
ただ、後半途中出場の三苫選手は別格なので、そんな心配はいらないかもしれませんけどね。
スペインにボールを握られる日本代表が陥る展開
前述したように恐らく、前プレがかからない状況になると思います。例外もお話ししましたが。
となると、恐らく引いて守る時間が多くなる試合となりますので、組織守備の構成を主に考えた方が良さそうですね。
スペインに一番やらせてはいけないのは、プログレシオン(ミドルゾーンの前進)での中央突破です。
サイドから斜めのパスで中央を経由され逆サイドに展開されるのは、かなりやばいので、中盤の守備は3枚いりますね。
たぶんその計算で今回4-2-3-1に変更したんだと思います。
ただ日本のトップ下の立ち位置が悪いとアンカーを経由してサイドチェンジされる流れになりますので、要注意です。
基本は、こんな感じの立ち位置になると思います。
逆サイドのサリーダ デ バロンへボールを動かされる時にアンカーを経由されるときれいにアタッキングゾーンまで前進されてしまいます。
その他にもガビ選手は、サリーダ デ ソナ(自分のゾーンを出る)で、色んな数的優位を作るのが上手いので、そうしたポジション変更でのローテーションの対応もブロックを敷きながら対応したいですね。
ポジティブトランジションが鍵
そんなこと言われなくても分かっているよ。
と言われるかもしれませんが、ポジティブトランジション(守備から攻撃への切替)が鍵となります。
試合の大半を守備で忙殺されると思うので、カウンターで仕留めるしかなくなります。もちろん組織攻撃でサイドから優位性を活かしてゴールに向かう場面もあると思いますが。
結局、メインウェポンは、カウンターですね。
ファーストブレイクとセカンダリーブレイクとありますが、できればファーストブレイクで決めるのが理想です。
セカンダリーブレイクまでプランにいれると、中盤の運動量が激しくなり、後半もたなくなる可能性があります。
つまり、攻守の切替時にサイドとトップのみでゴールを奪うことが前提となります。
そうなると、やっぱり右は伊藤選手、左は久保選手か三苫選手になるのかなと。トップは、正直古橋選手か前田選手かなー?誰がいいのかいまいち分かりません。
4-4-2の守備ブロックの構想は?
スペインに対して4-4-2の守備ブロックで対応したらどうなの?と思うかもしれませんが、実は4-4-2の守備ブロックは、すでに崩されているので、恐らく守り切れないかと思います。一番堅守と言われた4-4-2にも穴はあります。
実は、よく聞く偽サイドバック。
この偽サイドバックによる逆ローテ―ションで、簡単にミドルラインを超えられてしまう欠点があります。
スペインレベルの組織力があるチームには、基本的に5-4-1か4-5-1の守備ブロックが必要です。
つまり最低9枚ブロックが必要なのが現在のサッカーです。
8枚だとスライドが間に合わなくなるので、4-4-2は、難しいんじゃないかと思います。
ただ、この話は、欧州トップクラブチームの話なので、常に一緒に練習しているわけではない代表では、当てはまらない可能性はあります。
その中でスペインは、個人戦術と集団プレー戦術の理解度が高く、監督がいなくても組織力が高いので、9枚守備が必要なんじゃないかと思います。
もちろん、すでに4-4-2での解決方法もありますが。それをするくらいなら、初めから4-5-1か5-4-1にしておいた方が良い気がします。
まとめ
スタメンで、前の三人が前田選手、伊藤選手、古橋選手、浅野選手で固めた場合は、おそらくカウンターと前プレからのショートカウンター狙いに行くのではないかと。
左が久保選手や南野選手、三苫選手であれば、バランスをとって組織攻撃でもプランを用意していると思われます。
前プレ狙うのであれば開始10分まででしょうかね。
アメリカも強いのですが、それよりも組織力が高くチームとして成熟されているのがスペインです。
想定したプランでできない可能性が大きいです。
ただ今回のアメリカ戦で見せた縦パスと落しの関係を見せたことにより、より中央の守備を固めると思いますので、組織攻撃はサイドの頑張り次第ですね。
後は、守備と攻守の切り替えの意思統一が重要ですね。
どのようなプランを選択するかは分かりません。
難しい相手になるのは間違いないですが、決して絶対勝てない相手ではないので、是非ともスペインを撃破してほしいです。