3つのコンドゥクシオン(conducción)と2つの解決行動(技術)
ドリブルについて解説していこうと思います。
運ぶドリブルや抜くドリブル等、色々と分類されていますが、それらの分類だと少し言語化にしにくいことがあるので、CrecerFAとしての定義づけを書いていきます。
ドリブルとは
ドリブルとコンドゥクシオン
コンドゥクシオンとは、運転や操縦、運搬、運送となり、その意味からして、ボールを運ぶこととなります。
ドリブルは、上記の意味でもそうですが、バスケでもボールを運ぶこととなっています。
つまり、ドリブルとコンドゥクシオンは、共通する意味を持っているということです。
となると、運ぶドリブルとは、意味が重複している気がして、分類の言葉として分かりづらいなという気がしています。
もちろん、世の中に浸透している言葉でもあるので、それ自体を否定するつもりはありません。
あくまで、CrecerFAとしての定義づけです。
ですので、今後ドリブルと表記するものは、コンドゥクシオンとして扱っていきます。
他サイトとの言葉の使い方が違ってくるかもしれませんが、ご了承ください。
3つのコンドゥクシオンの使い分け
コンドゥクシオン パラ プログレサール(conducción para progresar)
コンドゥクシオン パラ フィハール(conducción para fijar)
コンドゥクシオン パラ ディヴィディール(conducción para dividir)
コンドゥクシオンの効果
コンドゥクシオンは、チームのために行う意味が大きいです。
そのままラインを突破するのもそうですが、前後左右にボールを運び、体の向きやボールの角度を変えることで状況に変化を与え、味方を優位にし、ボールが前進できる状況を作ること。
相手を止めたり、動かしたり、混乱させたりする。
等、色々な戦術的意味があります。
それは、全て自チームを優位にするために行っています。
そうした戦術的な意味を整理し、チームに効果的なコンドゥクシオンを判断できるようになる必要があります。
相手のアプローチに対する2つの解決行動(技術)
レガテ(regate)
レガテについては、直訳すると相手をかわすこととなります。
ですので、言葉としては、相手のフィジカルコンタクトやブロックしてくる足をかわす等の意味と理解しています。
ですので、レガテを抜くドリブルと表記すると、意味が違ってくるので、CrecerFAとしては、
こととして扱っていきます。
もちろん抜くドリブルも広く浸透している言葉ですし、そのための技術も多く知れ渡っていますので、否定するわけではございません。
あくまでCrecerFAとしての扱いです。
ですので、抜くドリブルというのは、レガテ(regate/相手をかわす)した後に、
コンドゥクシオン(conducción/運搬、ドリブル)する。
という連続した動作という区分けになります。
プロテクシオン(protección)
プロテクシオンは、保護、防護という意味から、ボールを守ることと解釈します。
この場合、レガテとは違い、ボールを取りに来る相手を自身の体でブロックする技術として理解しています。
まとめ
ドリブル関して
チームに影響を与える戦術的な意味と担当相手に対する解決行動に分けて考える必要があったため、今回は、3つの戦術的コンドゥクシオン(ドリブル)と2つの解決行動(技術)に分けていきました。
コンドゥクシオンに関しては、何のためにボールを運ぶかで、チームに与える影響が変わります。できるスペースだったり、味方のアクションが違いますし、相手チームの守り方も変わってきます。
プロテクシオン、レガテは、分類上では技術アクションとなり、担当相手の行動によって、ボールの守り方が変わってきます。
相手をかわして、ボールを相手から遠ざけた方が良いのか。
相手をブロックして、相手をボールから遠ざけた方がいいのか。
は状況によりけりで、使い分けが必要となります。
戦術的ドリブルと相手に対しての戦術行動の例
例えば、ウイングが相手のサイドバックに対して、仕掛けるというのは、
相手に対してボールを運ぶ、コンドゥクシオン パラ フィハール(conducción para fijar)です。
その後の相手のリアクションで、相手がボールを取りに来たなら、レガテ(regate)して、コンドゥクシオン パラ プログレサール(conducción para progresar)で、ボールを再度運び出すか、クロスやパス、シュートする。という流れ。
相手がこちらの行動に反応する守備時には、ステップやフェイントなどで駆け引きを行いボールを縦か中央に運ぶコンドゥクシオン パラ プログレサール(conducción para progresar)を先に行います。
その後、相手より勝っている状況なら上記と一緒です。
相手と同等もしくは、不利な場合は、プロテクシオン(protección)でボールを守りながら、ターンしたりします。
戦術的ドリブルによる個人戦術の変化
ウイングの仕掛けのコンドゥクシオン パラ フィハール(conducción para fijar)は、相手に対してピン止めを行いますが、ボールを持って自身がその場に止まって相手に来させる場合もあります。
つまり、
サイドバックの位置で正対するか。
ウイングがボールを持った位置で正対するか。
ということです。
それぞれ同じフィハールですが、味方チームも相手チームも周りの個人戦術(解決行動)は変わってきます。
戦術的な意味合いが違うことを理解する必要があります。
昨今のドリブル技術向上と違和感に対して
ドリブルスクールなどで行われる技術というのは、レガテ(regate)、プロテクシオン(protección)、そして、正対した相手がリアクションだった場合の駆け引きに使われるものがほとんどだと思います。
それらの解決行動(技術)と連続してコンドゥクシオン パラ プログレサール(conducción para progresar)などを紐づけしたものかなと感じています。
それらの技術というものは、チーム戦術をより優位にするために非常に有効なものです。
ただ忘れてはならないのは、チームとして戦略的、戦術的な意味合いに紐づいてこそ、初めて有効な技術だということです。
前進した方が良い場面で、相手に対してボールを運ぶのは違うと思っています。
もちろん、そういうプレーモデルのチームであれば正解だとは思いますけどね。
CrecerFAは、そういうプレーモデルではなく、ゴールにボールを運ぶゲームという前提で戦術的により良い判断、決断をしていくサッカー選手の育成を行っています。
何を書きたいかというと、ドリブルスクールの批判とかではなく、使い分けが必要ということ。
ドリブルスクールで習う技術は、非常に有効ですし、海外にも日本のドリブルメソッドは進出しています。
ただそれだけに終始することなく、戦術的な意味も理解して、使いどころを判断できるようになってほしいなと思っています。
ということで、CrecerFAのドリブルに関する定義と分類でした。